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離婚に関する問題

■離婚の種類について

4つの種類の離婚

日本の離婚は、話し合いの手続きによって次の4種類に分けられます。
協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚です。
離婚全体では90%が協議離婚であり、調停離婚は10%弱、裁判離婚は1%ほどです。
審判離婚は年間100件程で、かなり珍しくなります。
これらの手続き方法のうち、どれが最適かは離婚のケースによって異なります。
まずは手続きの流れを理解し、どの離婚方法を選ぶべきか考えましょう。

協議離婚

夫婦の話し合いにより離婚の合意があった場合の離婚手続きで、家庭裁判所での手続等は不要です。本人たちと証人二人の署名押印がされた離婚届を市区町村の役場に提出し、受理されれば離婚成立となります。
署名・押印以外の欄は本人以外が記載してもよく、代理人や郵送による提出も可能です。
未成年の子がいた場合には親権者を決めたり、財産分与や養育費などについての話し合いは必要ですが、不貞行為や悪意の遺棄など法定の離婚原因は必要ありません。
なお、法定の離婚原因については裁判離婚の項で改めてご説明します。
この時取り決めのあった離婚条件を記載したものを離婚協議書といいます。
法的拘束力を持たせるために公正証書として作成しておくとよいでしょう。
養育費の不払いなどがあった場合に、裁判することなく給与などの差し押さえが可能になります。
公正証書を作成する時は、公証人役場に夫婦で出向く必要があります。知識が必要なため、司法書士などに依頼したほうがスムーズです。

調停離婚

協議離婚がまとまらなかった時は家庭裁判所に申立て、調停離婚になります。
費用は地域によって差はありますが、切手代を入れても2000円程です。
調停離婚は必要事項を記入した夫婦関係事件調停申立書に夫婦の戸籍謄本を添えて提出することで始まります。
申立てが受理されると家庭裁判所から調停期日呼出状通知が届きます。第1回の調停日時が記載されており、出頭できない場合は期日変更申請書により日時を変更することが出来ます。この調停期日に出頭しないと出頭勧告が出され、拒否すれば5万円以下の過料が科されます。
調停では調停委員が夫婦の間に入って話し合いを進めます。別々に個室で質疑応答が行われ、待合室でも顔を合わすことはありません。
何度か調停を繰り返し、調停委員から提示された解決策に夫婦が合意すれば離婚調停成立です。
話し合いを有利に進めるためには、家庭裁判所から持参するように言われた証拠品などのほかに自分の意見を述べた陳述書が必要です。
陳述書は書式自由なので相手から受けたダメージや自分に有利な情報を冷静にまとめましょう。
調停離婚が成立しなかった場合は審判離婚や裁判離婚になります。
離婚調停を経ずに離婚訴訟を起こすことは出来ません。また、調停には夫婦関係の修復を目的とした円満調停もあります。
離婚調停中に円満に話し合うことができ調停が取り下げられることもあれば、円満調停がこじれて離婚調停になる場合もあるのです。

審判離婚

家庭裁判所が離婚調停による離婚の成立が低いと判断した場合に、職権による審判で離婚を成立させるものです。
ただし、審判の告知から2週間以内に当事者の異議申し立てがあれば離婚は成立しません。
現実的にはほぼ取られない手続きで、一方が入院・入獄等により出頭できないなど特殊なケースにのみ見られるものと言えます。

裁判離婚

協議離婚も調停離婚も成立しなかった場合、夫婦の一方が家庭裁判所で離婚訴訟を起こすことになります。判決には法的拘束力があります。
離婚訴訟を起こすためには法定の離婚原因が必要であり、訴えを起こした原告は離婚原因の立証責任を負います。
次の5つが離婚原因に当たります。

  1. 浮気などの不貞行為
  2. 同居拒否や扶養義務を怠った悪意の遺棄
  3. 3年以上生死不明である
  4. 回復の見込みのない強度の精神病
  5. DVなど婚姻を継続しがたい重大事由がある

ただし、離婚原因があったとしても離婚が認められないこともあります。裁判所の裁量により婚姻を継続すべきという判断があった場合です。
判例では、重い精神病にかかった配偶者の今後の生活について、ある程度の解決の見込みが付いてからでないと離婚が認められませんでした。
裁判離婚では離婚請求料と郵便切手代だけで2万円程かかり、財産分与など内容や請求金額に応じてさらに請求料が必要です。
弁護士はかならず立てなければならないものではありません。しかし、裁判を有利にするためには弁護士に依頼するべきでしょう。
離婚訴訟を起こすには、まず裁判所に訴状を提出します。裁判所から第1回口頭弁論期日が指定され、訴えを起こされた被告にも期日の呼出状と訴状の副本が郵送されます。裁判は数回の口頭弁論の後に離婚成立かどうか判決が下されます。
この判決に不服があれば控訴といって、上級の裁判所で裁判を続けます。
裁判の終わり方には、判決離婚以外にも認諾離婚や和解離婚があります。
認諾離婚は被告が原告の請求を全面的に受け入れた場合で、和解離婚は裁判途中で当事者の話し合いにより離婚が成立した場合です。

親権と監護権について

親権、監護権とは

未成年の子どもを持つ両親が離婚する場合、必ず親権を決めなければ離婚できません。
子どもの戸籍の問題があるため離婚届には親権者の欄があり、ここに記入が無ければいけないのです。また父母が離婚する際に親権を共同とすることは出来ないため、どちらか一方に親権を設定する必要があります。
親権は法律上2つの権利義務から構成されています。
子どもの財産管理や契約などの法律行為を代行する権利である財産管理権と、子どもの身の回りの世話やしつけ・教育などを行う身上監護権です。
通常、親権者はこの権利を2つとも持っていますが、身上監護権を持つ監護権者を別に設定することもできます。
身上監護権を持っていると、戸籍上は親で無くとも子どもと暮らすことが可能です。
一般的には財産管理権と身上監護権は同一の者が持つべきだとされていますが、子どもの精神や健康状態のために別々の者が持つこともあります。
どちらにしろ、親権と監護権の問題は子どものことが一番に考えられるべきです。

どのような時に監護権者を決めるべきか

では、具体的にはどのようなときに親権と監護権を分けて持つのでしょうか。
まず、夫婦が離婚自体には同意しているものの、親権をどちらが持つかで争いが続いている場合です。
片方が親権にこだわっている場合は、親権を譲る代わりに監護権を持つことで子どもと一緒に生活できることになります。監護権者は父母が離婚していなくても設定可能です。
離婚協議中などに配偶者が強引に子どもを連れ去ってしまった場合、監護権者指定の調停を申立て監護権者になれれば子どもを取り戻せます。さらに別居中監護権者となっていれば、離婚後の親権を獲得する際に有利になるのです。
反対に、離婚後親権も監護権も持たないまま子どもと暮らしていた場合、相手方が親権に基づいて子どもの引き渡しを要求してくるトラブルが想定されます。
このような場合は至急監護権者を決めるべきです。
監護権者となれるのは父母だけとは限りません。
経済的な問題などで父母が子どもを育てられない場合は、夫婦の協議や家庭裁判所の審判で第三者が監護権者となります。第三者とは父母の親や親戚、児童福祉施設などです。
その他、親権者を取った親が子どもの世話が出来ない状態である、財産管理と身上監護の適任者がそれぞれ父母に分かれている、などのケースもあります。

親権者、監護権者を決める手続き

親権者はまず夫婦の協議で決めます。
合意が得られなかった場合は家庭裁判所の離婚調停です。それでも親権者が決まらなければ親権者指定の審判手続きに移行します。
審判では裁判所の判断により親権者が決まります。
離婚自体に決着がつかず離婚調停が不調だった場合は、離婚訴訟に進みます。
訴訟内で離婚の際取り決めるべき条件の一つとして、親権について争うのです。
監護権者を決める手続きの段階は親権者とほぼ同様です。
夫婦の話し合いで監護権者が決まらなければ家庭裁判所に監護者指定の調停を起こし、合意できなければ審判、訴訟によって裁判所の判断で監護者が決まります。
なお、親権と監護権の大きな違いとしては、親権は離婚前に別々に持つことが出来ない、監護権が決まっていなくても離婚できる、という点があります。

親権者、監護権者の決定基準

親権者の決定基準は親や子どもの状態、子どもの年齢が関わってきます。
通常は子どもを監護している親が優先されます。
離婚原因となった浮気などをしていても、子どもの養育に適していると判断されれば親権者になれます。
親権を持たない方が養育費を支払うことになるので、経済的弱者かどうかはあまり重要ではありません。
子どもへの愛情や周囲の協力が得られるかなどが考慮されます。
日本の司法では子どもが幼い内は母親が親権を持つべきという考えが主流で、10歳までの子どもは母親が親権者になることが多いです。
10歳から15歳なら、状況判断に加えて子どもの意思も尊重されます。満15歳以上の場合は、家庭裁判所は子どもの判断を聞かなければならないため、子どもの意思にかなりの決定権があります。
監護権者の決定基準も親権者とほぼ同様で、子どもの福祉が最重要視されます。

親権者変更は困難

監護権者の変更は父母の協議だけでも可能です。合意できなければ調停、審判に進みます。監護者変更は子ども本人以外誰でも申し立てることが出来ます。
一方、親権者変更は父母の協議だけでは終わりません。
戸籍上の重要事項の変更になるため、家庭裁判所の決定が必要になるのです。この申し立ては夫婦や子どもの親族である祖父母から出来ます。
申立て後は調査官が現在の状況を調査し、子どもに聞き取りを行うなどして、親権者変更が適当と判断されれば認められます。
親権者を変更するためには、親権者の重い病気や養育環境の悪化、財産管理が不適当、子どもと再婚相手の不仲など、特殊事情が必要です。
親権者がいなくなった場合は自動的に親権が移る訳ではなく、上記と同様に親権者変更の申立を行う必要があります。

婚姻費用について

婚姻費用の分担義務

法律上夫婦である限り、夫婦には生活保持義務が生じます。これによって、お互いの生活レベルを同等に維持するための生活費の分担義務も、お互いの経済力等に応じて負っていることになります。
これが婚姻費用の分担義務です。
婚姻費用の負担については、円満な婚姻関係が続いていればまず問題になることはありません。また、離婚後は養育費や慰謝料、財産分与は争点となりますが婚姻費用の分担義務は消滅します。婚姻費用の分担義務が争点となるのは、離婚前の別居中などです。たとえ別居中であっても離婚していない限りは夫婦であるため、婚姻費用の分担義務も継続して発生しています。
婚姻費用には衣食住にかかる費用のほか医療費も含まれます。また、もちろん子どもがいた場合は子どもの養育費や学費等も婚姻費用です。限度はありますが、交際費や娯楽費も婚姻費用となります。
離婚前に別居状態になった場合、別居前と同水準の生活を維持できなければ婚姻費用の分担請求が出来る場合があります。また同居していても、収入が多い方の配偶者が浪費などで生活費を支払わない場合も婚姻費用の分担請求が問題になります。

婚姻費用分担請求ができる場合とは

婚姻費用は別居中ならすべての場合でもらえるとは限りません。収入の多い方の配偶者が浮気などで家を出て行った場合は、婚姻費用の分担請求が出来ます。また配偶者の暴力により出て行かざるを得なかった場合も可能となります。
その一方、請求者である配偶者側に一方的な責任がある場合は婚姻費用を配偶者の生活費と子どもの養育費に分けて考える必要があります。請求者側の浮気によって別居に至った時や、正当な理由もなく無断で別居生活を始めた時などです。子どもの養育費は子どもの権利ですから、どんな事情があっても子どもを養育している側に支払われるものです。
しかし、請求者の生活費は請求者の責任の度合いによって、一部または全部が支払われないことになります。

婚姻費用分担義務の生じる期間

婚姻費用の分担義務が発生する時期は判例により異なりますが、婚姻費用の分担請求をした時から、という考えが一般的です。つまり過去の婚姻費用の未払い分までも請求することは難しいのです。よって別居中に婚姻費用の未払いが生じたときは、ただちに請求すべきです。ただし、婚姻費用の未払いがあったまま離婚することになった場合は、財産分与の算定にその事情が関わってくることになります。
一方で、婚姻費用の分担義務が終了するのは別居が解消され再度同居するまでか、離婚するまでです。離婚協議や離婚訴訟中はまだ離婚にはいたっていないため、婚姻費用分担義務は発生しています。

請求の手続き

まずは夫婦間の話し合いで決めることが出来ます。金額も自由です。話し合いが合意に至らない、またはそもそも応じてくれない場合は家庭裁判所に婚姻費用の分担請求調停を申し立てます。
申立書と夫婦の戸籍謄本、お互いの収入関係の書類が必要です。費用は収入印紙と郵便切手で約2千円です。
調停では調停委員を介して話し合うため、夫婦が直接顔を合わせることはありません。調停内容に夫婦の合意が得られるまで調停は何度か行われ、成立すれば調停案と調停調書が作成されます。
この調停調書があれば、婚姻費用の不払いがあった時に給料などの差し押さえをすることが出来ます。
調停が不成立の場合は、審判に移行して裁判所が婚姻費用の分担額を決定します。

このように、夫婦間の協議で決着がつかなければ長期間婚姻費用が支払われないことになります。
よって、幼い子どもを抱えていて働くことが出来ず、生活が困窮している場合は「調停前の仮処分の申請」や「審判前の保全処分」を申し立てます。
これによって、調停委員や裁判所が婚姻費用の必要性を認めれば、手続き終了前でも配偶者から一定の生活費が支払われます。
差押え等は出来ませんが、支払われなければ履行勧告や履行命令が出ます。
なお、離婚調停がすでに始まっていれば、そこでも婚姻費用について話し合うことが出来ます。

婚姻費用の分担額

婚姻費用の分担額は、夫婦の話し合いのみで決めるなら金額は自由です。
話し合いで決まらず、調停や審判に進んだ場合は夫婦の経済力や子どもの数・年齢、別居に至った事情や責任の割合などの事情を総合的に判断して金額が決定されます。
幼い子どももおらず働ける状況にあるのに妻が働いていないと婚姻費用が減額されることがあります。婚姻費用を支払うべき配偶者の収入が乏しく、自己の生活に余裕が無い場合でも、分担義務が無くなるわけではありません。
養育費と同じく、婚姻費用にも算定表が存在します。標準的な生活状況にかかる婚姻費用を算定できるものですが、上記の個々の事情と併せながら婚姻費用の金額が決められます。
婚姻費用は月額で決定されますが、司法統計で一番多い金額帯は月額6万円から15万円以下になっています。

養育費について

養育費は子どもの権利

養育費とは生活費や教育費、文化費、娯楽費など子どもを自立するまで育てるのにかかる費用全てです。養育費を支払う親には、子どもが最低限の生活が出来る程度に留まらず、自分と同程度の生活ができる程度の生活保持義務があるとされています。
自己破産しても養育費の負担義務はなくなりませんし、養育費を支払っていない場合は子どもとの面接交渉権が停止されることもあります。養育費の実際の支払い先は子を養育する親ですが、養育費は子どもが持っている権利です。
よって、浮気による離婚で慰謝料を支払うべき有責配偶者側が子どもを引き取った場合は、他方の配偶者に養育費の支払い義務があります。もちろん、子どもの親権と身の回りの世話をする監護権を分けて設定した場合は、監護権を持つ側に養育費が支払われます。
たとえ監護親が子どもを養うのに十分な経済力を持っていたとしても、養育費の支払い義務が消えることはありませんし、請求期限も時効もありません。

請求の方法

夫婦間の話し合いによる協議離婚で離婚した場合、養育費などの取り決めた離婚協議書は公正証書にしておくべきです。公正証書かどうかは、後述の養育費が支払われなかった時の対応に大きく関わってきます。
協議離婚で決着がつかず、離婚調停や裁判を起こす場合は、離婚と同時に養育費のことも決まります。養育費請求の申立は離婚届の提出後でも可能です。
たとえ養育費は不要として離婚したとしても、事情変更によっては離婚後に養育費を請求することが出来ます。この時も、話し合いで合意が得られなければ家庭裁判所の調停や審判で取り決めることになります。

養育費の算定

夫婦間の合意があれば、養育費の金額は自由です。
しかし話し合いでは決まりにくいものであるため、家庭裁判所では「養育費算定表」を使って養育費の額を決めています。
養育費算定表は統計によって作られた資料で、お互いの収入や子どもの数などから養育費を算出します。
子どもが私立学校に通っているなど、算定表に含まれていない特殊事情がある場合は、裁判で主張する必要があります。

支払期間と親の再婚

養育費は子どもが自立するまで支払うべきものです。
この自立とは原則は20歳とされていますが、親の経済力や生活環境によって支払い期間の取り決めも左右されます。
高校卒業までなのか、18歳・20歳までなのか、大学卒業までなのか、夫婦の合意で決めることが可能なため、離婚ケースによって異なるのです。
養育費の減額や増額請求は、多少の事情変更があっても認められません。また、子どもを養育していた親が再婚することになっても、養育費の支払いの中止はできません。子どもの生活保持義務は依然として別れた親にあるからです。
再婚相手と子どもが養子縁組をした場合に限り、養育費の減額が認められる場合もあります。
一方で、養育費を支払っていた側の親が再婚し、子どもが生まれて扶養家族が増えた場合も減額請求が可能です。
反対に、子どもが大病を患うなど特別の事情があった場合は、養育費の増額請求ができることもあります。

不払いがあった時は

養育費が支払ってもらえなくなった時は、その取り決めが口約束や公正証書でない離婚協議書によるものなのか、離婚調停や裁判離婚、公正証書による離婚協議書によるものなのかで対処方法が異なります。
取り決めが口約束または公正証書でない離婚協議書による場合、強制力がないためにまずは直接相手と交渉するしかありません。それでも支払ってもらえなかった場合は、家庭裁判所に養育費請求の申立を起こし、合意できなければ家庭裁判所の審判により養育費の支払いが決め直されます。
離婚調停や裁判離婚の判決によって離婚している場合は、その手続きの途中で養育費についても取り決めているでしょう。この時不払いがあった場合は、家庭裁判所に履行勧告の申し出が出来ます。履行勧告とは家庭裁判所が相手方に取決めどおりに養育費を支払うよう勧告するものです。また、養育費を支払うよう履行命令をしてもらうこともできます。
しかし、強制力のない履行勧告や制裁が軽い履行命令では養育費を支払ってもらえないことが多いようです。このような時や、養育費について取り決めた公正証書があるときは、給与や不動産を差し押さえられる強制執行が可能になります。
通常の強制執行では給与債権の差押えは4分の1までしか認められていません。また、支払期限が来ていない権利についてもあらかじめ強制執行の申立をすることは出来ません。
しかし、養育費は法改正による特例によって、上記の定めより広範囲で差押えが出来るようになっています。給与は2分の1まで差押えが可能で、養育費の不払いがあれば期限前でも強制執行の申立が出来るので、1度の申立で手続きが済むのです。ただし給与の差押えによって相手が退職してしまっては、養育費の支払いも難しくなってしまいます。
財産開示手続きを行って相手の職場環境や財産状況などを判断し、慎重に動くべきです。

財産分与について

財産分与とは

離婚の際に発生する金銭のやり取りは、配偶者などから与えられた精神的苦痛に対する損害賠償である慰謝料、子どもがいる場合に生じる養育費のほかに、財産分与もあります。
財産分与とは、夫婦生活の中で築き上げた夫婦の財産を貢献度によって分割することです。
たとえば貯金や保険料、不動産などがあります。
財産分与の分け方には4つの性質があります。
婚姻継続中に夫婦が協力して築いた共有財産の清算は清算的財産分与といいます。
共有財産はあくまで公平に分配するという考え方なので、離婚原因がどちらにあるかは関係ありません。
慰謝料を払うべき側の有責配偶者からでも財産分与の請求は出来るのです。
一方の配偶者が経済力に乏しく、離婚すれば生活苦に陥ってしまう場合、生活の補助のために財産が分与されることがあります。この扶養的財産分与は、清算的財産分与や慰謝料に期待が持てない時に、高齢の専業主婦や病気の配偶者に認められるものです。
清算的財産分与では財産分与と慰謝料は関係ないとご説明しましたが、慰謝料的財産分与として慰謝料を含めた額の財産分与を要求することもできます。損害賠償に値する十分な額の財産分与が分配された時は、改めて慰謝料請求をすることはできません。
4つ目は過去の婚姻費用の清算を含めた財産分与です。
婚姻費用とは夫婦と未成熟の子の生活費であり、夫婦は婚姻費用の分担義務を負っています。片方が収入に比べて少なすぎる生活費しか渡していなかった場合、婚姻費用の未払いとして財産の分配の際に考慮されることがあります。

請求の方法

離婚の多くは夫婦の話し合いによる協議離婚で決着がつきます。財産分与も当事者が納得していれば金額は自由です。
協議離婚で離婚できず、調停離婚や裁判離婚となった場合は、その審理等の最中に財産分与も決まっていきます。もし財産分与の請求のみを家庭裁判所に申し立てる時は、費用は2千円程度、書類は家事調停申込書、夫婦の戸籍謄本、不動産の登記簿謄本などが必要です。
現金などはそのまま分与できますが、家や自動車を分けることは不可能です。こういった場合は、対象財産を売却して得た現金を分けるか、家や自動車を保持した側が相手に相応の金銭を支払うといった方法があります。
財産分与は離婚した後でも2年間は請求できます。慰謝料の時効は3年間なので、混同しないよう注意が必要です。
また、離婚後から財産分与までの期間が空いてしまうと話し合いがこじれることが多いので、離婚時に財産分与も済ませることが理想的です。

財産分与の算定

財産分与の割合の基本はそれぞれ50%に分けることですが、お互いの貢献度も考慮されます。この貢献度は金銭面のみでなく家事・育児も含まれます。
つまり、無収入の専業主婦だったとしても20%から50%の財産分与は認められるのです。
反対に、夫婦共働きでも一方の実働時間が極端に多い場合や、夫婦で共同事業を運営していたとき一方の貢献度が高い場合は、財産分与の算定に影響します。
財産分与は金銭でやり取りする際は基本的に課税されませんが、貢献度やその他の事情に対して多すぎる財産分与を受けた場合は贈与税がかかることがあります。なお、財産分与を不動産や株式で支払った場合は所得税と住民税が課税されます。
受け取った側には不動産取得税などは課税されませんが、名義変更のための登記費用は必要です。

どのような財産が分与の対象になるか

財産分与は夫婦の所持する財産全てに適用されるのではありません。
夫婦が協力して得た共有財産は名義に関わらず財産分与の対象となり、婚姻前から有していた財産や婚姻中でも夫婦の協力が無関係の財産は特有財産として財産分与の対象にはなりません。また、離婚前でも長期間の別居中に得た財産は対象外とされます。
共有財産の具体例は貯金や保険、有価証券のほか、土地家屋などの不動産、家財道具、自動車も含まれます。経済的に価値のあるもの全てだと言えるでしょう。
受領済みの退職金も夫婦の協力によって得た財産だと言えるため分与の対象です。ただし退職金がまだ支給されていない場合は、支給が立証できなければ分与の対象とすることは難しくなります。
財産分与の対象とならない財産は、独身時代の預貯金などのほか、遺産によって相続したお金や不動産などがあります。
夫から妻に贈られ、妻が単独で使用しているアクセサリーは特有財産です。しかし、そのアクセサリーが財産として購入されたものであれば、財産分与の対象になります。

借金=マイナスの財産はどうなるか

配偶者の借金が財産分与の対象になるかどうかは個々の事情によります。
借金の理由が配偶者の浪費や遊ぶためのお金だった場合は、保証人になっていない限り支払う必要はありません。反対に、生活費のための借金や家のローンなどは財産分与の際に考慮されます。
配偶者の借金を自分や実家が肩代わりして支払済みだった場合は、その支払額を返還させるのは難しいようです。

面会交流について

面会交流とは

面会交流とは、離婚や別居により子どもと離れて暮らすことになった親が、定期的に子どもと面会するほか、手紙やプレゼントの受け渡し等の交流をすることです。
子どもの福祉の観点からもこの権利は認められています。
以前は判例に留まっていましたが、平成23年の民法改正で面会交流権は法律上明記されることになりました。
離婚や別居により片方の親と離れた子どもは不安感や孤独感に襲われています。そのような心配事を取り除き、離れて暮らしていても両方の親から愛されている実感を子どもに与えるためには、面会交流が必要なのです。
面会交流権は正当な理由が無ければ拒否できません。よって、特別な事情も無く子どもに会わせてもらえない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることが出来ます。しかし、強制的に子どもを連れ出して会うことは子どものためとは言えません。
実際には面会交流を拒む親に調停委員や家庭裁判所調査官が子どもにとっての面会交流の大切さを説くことになります。
面会交流権は面接交渉権とも言われていましたが、今では面会交流権という単語が主流となり、平成24年4月1日施行の改正民法でも「面会及びその他の交流」という言葉が使われています。
面接交渉には親同士の話し合いというようなイメージを持つ人もいます。
親が子どもと会う子どものための権利という意味合いを持たせるために、面会交流権という単語が使われるようになったと考えられます。

面会交流で決めておくべき条件

親権者を決めなければ離婚できないため、多くの場合は離婚協議等の際に面会交流についても一緒に取り決めます。
反対に、離婚後親同士が話し合う機会があるかはわからないため、離婚時に面会交流の条件を決めておきましょう。
決めておくべき条件としては、面会の回数や時間、場所のほか、旅行や宿泊は可能か、プレゼントはかまわないのか、学校行事には参加できるのか、など様々なことが挙げられます。
また、会う以外にもメールや電話のやり取りはどうするかもあります。
親同士がなるべく顔を合わせたくない場合は、第三者の介入など子どもの受け渡し方法についても考えなければいけません。
トラブルを避け子どもの成長を見守るために、面会交流の条件は細かいところまで話し合い、文書化しておくことが必要です。
これらの取り決めに違反しないことはもちろんですが、子どもが嫌がっている場合は面会を強制しないことや、面会時のことについて子どもにしつこく聞かないことも大切です。また、子どもを養育する親は子どもが混乱しないよう、他方の親の悪口は避けるなど面接時以外のことにも注意しましょう。

面会交流が認められないことも

面会交流権は親の権利であると同時に、子どもの福祉が一番に考えられるため、たとえ親であっても面会交流が認められないこともあります。
上記の子どもが面会交流を嫌がっている場合以外では、子どもや監護者への暴力、子どもの連れ去りの危険性がある時などです。
こういった面会交流が子どもに悪影響をおよぼす場合は、子どもの状況を見ながら一時的に面会を禁止したり、親権者や監護者同伴という条件付きで面会交流をさせるという手段を取ります。
親側に覚せい剤の使用など親権喪失事由がある、経済的に可能であるにも関わらず養育費を支払っていない場合は、親としての責任を果たしていないとして、面会交流が認められません。復縁を迫る・金銭の無心をするなど、面会機会の濫用があった時も、面会交流権の停止を家庭裁判所に申し立てられます。
子どもを養育する側の親の再婚と面会交流の停止は直結しません。しかし、子どもと再婚相手が新しい親子関係を築く上で、別れた親との面会交流が子どもを不安定にさせているなど、状況によっては面会交流を一時的に控えることが必要でしょう。
双方の親の感情もありますが、子どもの福祉に資するものかどうかが一番の判断基準となるのです。

面会交流を決める手続き

離婚や養育費と同じように、面会交流も最初は当事者間の話し合いによる合意を目指します。
話し合いでは解決できなかった場合は、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てます。調停での和解が不成立となった場合は審判で裁判官が条件などを判断します。
調停の申し立てにかかる費用は収入印紙と切手代の約2千円で、家事調停申込書と双方の親と子どもの戸籍謄本が必要です。
調停では調停委員を介しながら面会交流について話し合います。この時、適切な話し合いが行われるため、また審判に移行した際に判断基準にするために、家庭裁判所調査官の調査や試行的面接が行われることもあります。
調査官は法律の他にも心理学や教育学などの知識を持っており、子どもに面会交流についての意見を聞いたり、面会交流を実施した場合の子どもや監護者への影響を調査したりします。また、試行的面接は調査官立会いで裁判所内にて行われ、面会時の子どもや非監護親の態度を監護親が確認する機会となります。
この調査結果をもとに調停や審判が進められ、様々な条件を決める判断材料となるのです。

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